【ミニマリスト末路】危険!ミニマムに暮らす弊害を語る
私は3年ほど前まで、少ないモノで暮らすミニマリスト生活を送っていました。
必要最低限の物だけでスッキリと暮らすことで、心も空間も軽くなる感覚が心地よく「これが理想の生活だ」と思っていたんです。
ところが、そんな私の考えを根底から変えたのが、世の中で次々に起こる異変と違和感。
「なぜ私は自分には災害が起こらないと思っているのだろう?」
とハッと目が覚め、自分や家族を守るために備蓄を始めることを決意しました。
当時は、水も2Lのペットボトルが1本冷蔵庫に入っているかどうかという状態。
冷蔵庫には1~2日分の食料しかなく、水を運ぶ手段も持っていませんでした。
さらに、実家から持ってきたカセットコンロも断捨離してしまい、下着・靴下も今着ているものを洗ってローテーションすればいいと考え、数枚しか持っていませんでした。
はじめは、やっぱり抵抗感ありましたよ。
せっかくスッキリ暮らせていたのにって…
でも実際、備蓄を開始して数か月後、台風で1週間程度の断水がおこりました。
突然の断水に、給水車の手配は遅れ、水を備蓄していない人が夜中まで右往左往。
国道は水を求めて大渋滞。
シャワーも出ない、トイレも使えない、流せない。
実際にこうした経験をしてみて「洗濯すればいいから下着や靴下は数枚で十分」なんていうこういう考えが、いかに甘かったかを痛感しました。
必要最低限の物だけで暮らして、スッキリとした生活を楽しむ…
確かにそれは魅力的です。
実際、平和な日常が続いている間は、とても快適でした。
しかし、ここは災害と隣り合わせの日本。
物を減らしすぎると、いざという時に危険な状況に直面する可能性があります。
自分だけではなく、大切な家族を守れなくなるリスクもあります。
それでも別に良いという強い意志を持っているのなら、今後もミニマリスト生活でもいいとは思いますが…
この動画では、元ミニマリストとして、ミニマリスト的な暮らしを求める心理を掘り下げながら、備蓄に重要性を深堀してみようと思います。
ミニマリストが物を減らしたくなる理由
ミニマリストが物を減らしたくなる理由には、いくつかの心理が関係しています。
安心感を求める気持ち
物が少ないと部屋が片付きやすいし、管理も楽になりますよね。
それに、すっきりした空間は心理的な安全基地(セーフティベース)として機能し、不安やストレスを軽減します。
ミニマリズムは認知行動療法的なアプローチにも似ており、視覚的な刺激を減らすことで心の平穏を保とうとする心理が働きます。
コントロールしたい気持ち
持ち物を減らすことで、自分の生活をしっかりコントロールできているように感じます。
特に、先が見えない時代では「自分の手の届く範囲は完璧にしたい!」と思う人が多いんですよね。
この心理は”自己効力感”の向上を求める動きとも関連しています。
少ない物を管理することで、環境への主導権を握っている感覚が得られるわけです。
消費社会への反発心
「物をたくさん持つのはムダ」「環境に悪い」という考え方から、できるだけ買わない・持たない暮らしを選ぶ人も増えています。
この背景には反消費主義やエコ意識が影響しています。
ただ、その意識が強すぎると心理的な緊縮思考に陥り、必要なものまで手放してしまうこともあります。
【ミニマリスト末路】最低限の物で暮らす弊害・リスク
物を減らすことは悪くありません。
しかし、災害が起きた時のリスクを考えた上でモノを減らしたり、選択したりする必要があります。
食料や水が足りない・手に入らない
物を最低限しか持たない暮らしだと、いざ災害で物流がストップした時に大変なことになります。
流行り病が起こったときや南海トラフ地震臨時情報でさえもあらゆるものが店頭から消えましたよね。
ここ数年は数カ月置きにこのような事が起こっていますよね。
こうした状況が長期化した場合、備えがない人は、十分な物資・食料が確保できなくなることが予想されます。
停電や断水に対応できない
電気やガス、水道が止まると、復旧までに時間がかかることがあります。
真冬であれば暖房が使えず、室温が急激に低下。
寒冷地では、室内でも氷点下に達することがあり、低体温症のリスクが高まります。
毛布やカセットガスストーブなどの備えがないと、命に関わる事態に直面しかねません。
パニックになりやすい!
必要な物がないと、災害時のストレス反応が増幅します。
このストレスは判断力を低下させ、誤った行動や安全な避難判断を妨げる可能性があります。
また、他人を頼ろうとしても周囲も同じ状況にあることが多く、相互支援が機能しにくい事例もあります。
【ミニマリスト末路】災害が多い日本に住んでいるのに備蓄しないのか
でも、どうして多くの人は災害が多い日本に住んでいるのに、備蓄をしないのか?
いくつか理由が考えられます。
「自分は大丈夫」って思ってしまう(正常性バイアス)
正常性バイアスとは、危機的状況に直面しても「自分は大丈夫」「この地域は安全」といった楽観的な判断を下す心理的傾向のことです。
これは進化心理学的に危険を過小評価することでストレスを回避する防御機能ですが、災害時には逆効果に。
今が快適すぎて動けない
現代社会では、インターネットや24時間営業の店舗によって、必要な物はいつでも手に入るという錯覚に陥りやすくなっています。
この便利さが「何かあればすぐ買える」という過信を生み、災害への備えを後回しにする心理的ブロッキングを引き起こします。
こうした便利さへの依存は、「備えなくても大丈夫」と考える傾向を生み、現状維持バイアスによって「今の生活を変えたくない」という心理が行動を妨げてしまいます。
「そのうちやろう」で終わる(先延ばし心理)
先延ばし行動は、備蓄準備でもよく見られる心理的傾向です。
「やらなきゃ」と思いながらも、目の前の忙しさや快適な生活に流され、行動を先延ばしにしてしまいます。
私は夏休みの宿題いつもコレでした。
この行動は計画的回避行動と呼ばれ、将来のリスクよりも現在の快適さを優先してしまう時間割引率の影響も関係しています。
また、備蓄は収納や管理の手間がかかるため、「面倒そう」「本当に必要になるかわからない」と思い込み、行動を後回しにしがちです。
しかし、災害発生後には「もっと早く準備しておけばよかった」と後悔するケースが後を絶ちません。
【ミニマリスト末路】危険!ミニマムに暮らす弊害:まとめ
今回は元ミニマリストが備蓄の観点からミニマリストの危険性を深堀してみました。
備蓄は単なる物理的な準備ではなく、心理的安全性を高める重要な要素。
予測不能な状況に直面した時、備蓄があることで不確実性を減らし、安心感を生み出します。
これは、ストレス耐性を強化し、災害発生時に冷静な判断力を維持するために不可欠です。
元ミニマリストとしてはミニマリズムと備蓄は対立する概念ではなく、共存可能だと思っています。
各家庭で必要なものを厳選して備えることで、機能的かつシンプルな防災対策が実現できます。
ぜひ、自分や家族の安全と安心を守るための備蓄を始めてみてくださいね。